May 31, 2006

Disc Review #173

discreview173.jpgSunrise Project - Tycho
次はHeliosのレビューだろう…と思った方残念でした。Heliosの前に、先日コメントを頂いたshulさんとちょっと話題になったTychoをご紹介しようかと…。
このTychoというアーティストはScott Hansenという、私が以前からとっても影響を受けているデザイナーさんの1人でもあるわけなんですが、この人のポートフォリオサイトであるISO50を初めて見た時にサイトで流れていた曲が何とも私好みな音してまして…。それから色々調べ売ってるお店を探したんですが、本人のサイトでしか購入出来ないみたいだったので何だか面倒臭くすっかりスルーしっぱなしだったんですが、Shulさんからのコメントが勢いとなり、やっと買うに至ったという感じです。
リリースはGammaphone Recordsというレーベル。恐らく自身のレーベルっぽいですね。リリースもまだこれ1枚だけのようですし、サイト無いし…。んでもって音なんですが、飾り気の無いMerck系のシンプルなブレイクビーツにキャッチーでメロディアスなKettel系シンセメロ、そしてBOC系の深みのある伸びやかな雰囲気も少々…みたいな。何とも聴きやすいそして分かりやすいエレクトロニカの王道って感じですね。どなたにもお勧め出来る安牌的な盤って感じです。ちなみにこのアルバムの前にmp3でEPも出てます。こちらも◎。

May 28, 2006

Disc Review #172

discreview172.jpgAntennas And Signals - Maps & Diagrams
はいはい、どうもです。今月は怒濤のリリースラッシュですが、皆様着いて来られてますでしょうか?私はもういっぱいいっぱいです…。来月もこのペースが続くようですと、エレクトロニカが嫌いになりそうです。ウソです。
ってことで、Pubの再発盤をリリースしている日本のレーベルMoamooから、Expanding RecordsStatic Caravanなどからリリースし、Brocaと共にCactus Islandを運営していることでお馴染み、Tim MartinことMaps & Diagramsの新譜がリリースです。
とても繊細できめの細かいアブストラクト〜グリッジなビート構成。ジワジワ〜っと地味に広がり浮遊する、これまた繊細なメロディー。それでいて曲全体に音の破片がキラキラパラパラと舞落ちているような粗さみたいなものも感じられ、美しさの中にある刺々しさみたいな…ものすごく深くてダーク…だけど穏やかな世界です。
まぁ、私の個人的な意見ですが、彼の好きなところって、複雑且つ繊細なIDMビートに、アンビエンスな雰囲気の優しいメロディーという構成…つまりコチラのアルバムや、コチラのスプリットの世界観なわけです。で、今作ってそれらと正反対に近い世界なんですよね…。ダーク・アンビエンスというか…。なので私の好きなMaps & Diagramsの音とは少し違うんですよねー。ただ、アルバムのクオリティ自体は今まで通り(今まで以上かも…)とても高く流石だなぁと…。

ってか、Expandingからのアルバムレビューを書いた2年前の自分ってMaps & DiagramsのこともExpandingというレーベルのことも知らなかったんですね…。今読み返してビックリしました。お恥ずかしいwww。

May 27, 2006

i-WARP

06.05.27-01.jpgもはや説明不要UK屈指のインディー・レーベル Warp Recordsのレーベル・ショーケース・パーティー "i-WARP"(at.ageHa)に一人参戦してきました。同じ音楽聴く友達がいないのでね…。あー寂しい。
OPEN22:00とほぼ同時にageHa入りして、クラブ内をブラブラした後Warp FilmスペースでWarpアーティストのPVをダラダラ見ながらビールを飲みとりあえず一服。ビールを飲み干し、フロアへ行くとレーベルオーナーSteve Beckettの皿回し。ちょうどBoards of Canadaが流れていました。フロアで機能しているBOCは初めてだったのでとりあえず昇天…。その後、現地で落ち合う約束をしていた寝たきりすずめさんから"入店しました。物販の前にいます"との連絡を受け移動。すずめさんと落ち合い軽く挨拶を交わし、すぐSteve Beckettの待つフロアへ2人で移動。しばらくすると、Steve Beckettの横で機材のセッティングをする背の高いモードな感じの男がモゾモゾと動いている。シルエットでJimmy Edgarだと分かる。写真のまんまだった。
Steve BeckettからJimmy Edgarへ。この間リリースされた彼のアルバムは正直アレだったし、写真やアルバムジャケでの格好付けてる感があまり好きではなかったんだけど、彼はMerckからKristuit Salu vs. Morris Nihtingale名義で良作アルバムをリリースしているので、変な期待をしていました。
アルバムよりテンポ早めで、Kristuit Salu...っぽい大胆なエディットで終始ノリノリ♪そしてボソボソと地味に歌う彼が印象的でした。アルバムより全然良かったです♪
そしてJimmy Edgarからビートルズ!?って容姿のJackson and Hisなんちゃらかんちゃらへバトンタッチ。i-WARPの予習で彼のアルバムは聴いたんですが、私的に全然ダメでして…全く期待してませんでした。初めちょっと聴いて、う〜ん…て感じでフロアを出てビールを買って一服…。隣りで男2人がエロ話をしていてそれがあまりにも下らないのでフロアへ戻る。Jackson and Hisなんちゃらかんちゃらのプレイが続いてたが、何か見ている聴いているとロック乗りな感じがして、ロックを通過していない自分にはやはりイマイチ…。しばらくボーっとフロアを眺めていました。

06.05.27-01.jpgそろそろかなと立ち上がり、Jackson and Hisなんちゃらかんちゃらに踊らされてる人達の横をすり抜けフロアの最前列へ移動。そう、一番のお目当てであるPlaidの場所取りの為に…。
Jackson and Hisなんちゃらかんちゃらのプレイが終わり、いよいよエド+アンディ=Plaidの登場です。フロアの照明は落とされ暗闇の中にPlaidの音が響き渡る。繊細且つシンプルに組み立てられたIDMビートに自然と体は揺らされ、クリアー且つ刺のある上モノに何度も何度も昇天…☆やはり彼らの作り出す音はものすごいクオリティです。初めトラブってたみたいですけど…w。1曲づつしっかりと聴かせてくれるライブ進行には、フロアだけではなくリスニングにも機能するテクノ…そう、Artificial Intelligenceを感じさせてくれたように思いました。今回は新曲が中心だったようですね。Spokesからの曲が2曲ほどあったかな?エレグラの時のほうが昔の曲も結構やったので楽しめたけど、新曲も良さげでした♪来月のアルバムが楽しみです♪
Plaidが終わった途端、ドワ〜っと人が前に流れてくる。LFOです。彼のライブはエレグラで体感しましたけど、その時は割と地味目なアシッド中心だったんですが、今回はもうどうしようもないくらい終始アゲアゲ↑。怒濤のように音が襲ってきて休む暇もないくらい…。ホント拷問に近かったですw。終わった頃にはポケットに忍ばせておいたミネラルウォーターがお湯に…。タバコは湿気ってグシャグシャ…。
LFOが終わりLuke VibertのDJが始まったんですが、動けず…。フロアを出て水を飲み干し一服。すずめさんから"外のバーでWarpオーナーがDJしてます"との情報を得て向かう。外は小雨が降っていたがこちらもアゲアゲな選曲。しかし汗だくのままの外は思った以上に寒かったので中へ戻る。が、汗が引いて中にいてもじっとしていると寒い…。腰は痛いし、脚は棒だったけど最後の力を振り絞ってLuke Vibertのバッキバキのアシッドプレイに身を委ねることに…。そして完全に昇天……。

とにかく刺激的な一夜でしたー。って当分クラブはいいかも…やっぱクラブって場所は自分には合わないw。

May 21, 2006

Disc Review #171

discreview171.jpgBrookland/Oakland - Alias & Tarsier
な〜んか最近、音的には素晴らしいのですが、レビューのネタ的にはつまらん盤ばっかりですね。普通というか…。何かもっと「何?これ?」みたいなの紹介したいところなんですが発掘出来てません。つーか先月、Frozen Empire Mediaで注文したお品物が届きません。カードの明細書では1,461円しっかりと引き落とされてたのに…。早くして!
ってことでこちらも珍しくも何ともない話題盤ですね。Anticonから、Aliasと女性シンガーTarsierとのコラボ作品でございます。今回もAliasの持ち味であるググ〜っとためてドッカ〜ンという極太ビートは健在なんですが、いい加減どの曲も同じに聴こえてきちゃいました…w。まぁそこが格好良いんですけどね。今回は全曲歌モノなのでいつもよりビートも弱い感じがしますが、そのかわりにTarsierの透き通った歌声と、ピアノ・シンセ・ギターによるドラマティックで美しいメロディーがとても際立っています。Alias自身、そして我らがDoseoneもラップで参加していますが、相変わらずすごいです…彼の高速ラップ。格好良過ぎ…♪
このアルバムはElectronicaとかHipHopとかではなく、とてもポップなアルバムですね。

May 15, 2006

Disc Review #170

discreview170.jpgWind And Water - Loess
んでもって、n5MD2枚同時リリースの2枚目は、過去にToytronicやn5MDなどからリリース経験もあるClay EmersonとIan PullmanによるLoessです。
硬質で歯切れの良いリズムと、BOCっぽいドリーミーでザラついた温もりを感じさせるアンビエンシーな美メロ。全体的に地味で暗いんですが、硬質ビートとアナログ的な上モノとのバランスが心地よく、程よくオーガニックさも感じ、とても繊細で奥深い作品です。ってか、かなりアンビエントな作品かと思ってたんですが、意外にもエレクトロニカ〜IDMの王道を行く音してますね。なんかBitcrushのアルバムと、音とかではなくアルバムの雰囲気が何となく似てるような感じがします。うんうん、やっぱりn5MDは良いレーベルです♪
あ、ちなみにn5MDの次のリリースはFunkarmaの別名儀Quenchみたいですよ。既にサイトには音源がアップされてますが…まぁ間違いなさそうですね。

と、そんな感じでMerckとn5MDのビッグウェ〜ブを乗り切りましたが、次なるビッグウェ〜ブは…やはりSending OrbsからのYagyaのアルバムと、我らがKettelのかなりヤバめなアルバムでしょうか…。いやいや、ホントキツいです…。

Disc Review #169

discreview169.jpgIn Distance - Bitcrush
Merckに続き、今度はn5MDから2枚同時リリースです。いやいや、エレクトロニカの重鎮2レーベルのこういう活発な動きにはエレクトロニカ中毒者としては嬉しい悲鳴を上げざるを得ないんですが、同時にお財布も悲鳴を上げてます…。ってことでジャケが白過ぎですが、元GridlockのメンバーだったMike CadooによるBitcrushの新作です。
生ドラムによる伸びやかで力強いブレイクビーツ、シンセ・ピアノ・ギターなどによる心安らぐ美メロ、そしてシューゲイズ・ギターが曲全体を包み込み壮大過ぎるほど壮大な音空間を作り上げています。ボーカルを交えた曲などもあり、Component Recordsからのアルバムよりも生の要素が増し、よりロック色の濃いアルバムになってますね。とにかく1音1音がものすごい分厚さでそれが重なりド迫力なんだけど何故かとても癒されます…。いや〜素晴らしい。これ絶対スピーカーからマイナスイオン出てますよ。

May 07, 2006

Disc Review #168

discreview168.jpgContemplación de la Vida Inerte - Danieto
Pier Bucciと共にSkipsapiensでも活動し、昨年U-cover(現在はU-cover Transparente)から素晴らしいアルバムをリリースしたDaniel NietoことDanietoの新作cdrがU-cover cdr Limitedからリリースです。彼の音は大好きです♪
今作でも彼の持ち味である機械的で冷ややかなブリープ音とダークアンビエンスな音世界はしっかりと聴く事ができますが、ちょっと地味めなというか、よりダークな雰囲気。それと、メロディー少なめの妙にミニマルな曲だったり、ノンビートの音響アンビエンスな曲だったり…。彼特有のミニマルな要素とアンビエンスな要素を別々に聴かせてくれているような曲もあったり。まぁどっからどう聴いたってDanietoの音で、相変わらず深いですが…。彼の真骨頂的なT01で完全に逝けます…。

それとついでにご紹介しておきますが、DanietoとFlipperというアーティストが運営するImparというサイトがありまして、そこでDanietoのMP3アルバムが2枚DL出来ます。両方ともとっても良いです♪あとFlipperのアルバム2枚と、Danieto+Flipperでのアルバムが1枚DL出来ますので、気になる方は是非☆

May 06, 2006

Disc Review #167

discreview167.jpgArche-Lymb - Depth Affect
え?今頃?とか言われそうですけど…今頃です。リリースされたのって今年の2月頃でしたっけ?ずっと買わなきゃ聴かなきゃ! 買わなきゃ聴かなきゃ! と思いながらも、優先順位的にどんどん後回しにしちゃってました。で、聴いてみたら、何で後回しになんかしちゃってたんだろう?と…。ってことでちょっと遅れましたがご紹介させて頂きます。
中心メンバーの2人にDJとVJを加えたフランスの4人組Depth Affectの1stアルバム。Melodiumなどでお馴染みのレーベルAutres Directions In Musicからのリリースです。Aliasっぽいシンプルで力強いエレクトロニカ〜ヒップホップビーツに、Machine Drumっぽい大胆なカットアップ処理を加え、Prefuse73っぽくズタズタ切り刻んだボーカル。そしてピアノ、ギター、ベル、ピアニカなどによるIDM寄りなメロディー…という、エレクトロニカ〜ヒップホップの王道的な音じゃないでしょうか。うん、とても良いと思います♪CyneとAliasが1曲づつラップで参加しています。
ちなみに、同レーベルからMelodiumのリミックスを含む4曲入りEPをMP3でリリースしていますので、とりあえずそちらを聴いてみても良いかもです♪こちらからDLできます。

May 04, 2006

Disc Review #166

discreview166.jpgFaena - Tim Koch
まぁ、Machine Drumの次はコレがくる訳です。で、コレ聴いてMerckというレーベルが無くなることの重大性を再確認させられる訳です。はぁ…Merckってやっぱり素敵です。
U-Cover, DeFocusなどからのリリースでお馴染み、Tim Kochの通算5枚目となるアルバムです。重く深くうねるように響くビートや、跳ねるパーカッシヴ調なビート。そんなビート群に揺れ動かされているようにゆらゆらと空間を彷徨う幻想的なシンセのメロディー…かと思いきや、Funckarmaっぽい雰囲気を持つダビーなIDMだったり、アコギと女性ヴォーカルで聴かせる緩く暖かいトラックだったり、曲間に短めの音響アンビエンスなトラックを入れる等…どこのショップのレビューでも言われている通り、彼の持ち味が存分に詰まった集大成的なアルバムになってます。全体的にそんな派手さも無く寧ろ地味なんですが、音色が豊富だからなのか、1曲1曲が妙にスケールがでかく聴き応えあります。良作♪流石です。

Disc Review #165

discreview165.jpgMergerz & Acquisitionz - Machine Drum
少々遅れましたが無事に聴けました。Merck Recordsの看板アーティストMachine Drumの楽曲を、Machine Drum、Nautilis(a.k.a Malcom Kipe)Kid606BauriPraveenTeam Doyobi、Looza & Chimerical Child、Funckarma、Acid Wolf、Eustachian、Jemapur、Mochipet、Deceptikon、Epstein、Calmer、Ginormous、Mic Mell、Landau、Proswell、Kettel、Mesak、Anders IlarProemDeruKschzt(a.k.a MD)、Talve、Brasswork Agency、Scrubber Fox、Wake、Miles TilmannCrankshaftLacklusterSabiSecedeの総勢34アーティストがリミックスを担当した2枚組リミックスアルバム。ってかね、すごいボリュームなので聴くの大変です…w。
リミキサー陣を見ても分かると思いますが、Merckを語る上で必要不可欠なお馴染みアーティストが多数参加しているので、キャッチーなIDMメロディーやカットアップ・ヒップホップビーツなどなど…これぞMerck!!! といった音で、まさにBest of Merck的なアルバムです!!!
それにしても…Kettelによるリミックスは最高ですね…。

May 01, 2006

Disc Review #164

discreview164.jpgAwakes - Syntaks
先日のエントリーで、"ヒップホップ漬け"だの "B-Boy化してる" だのと色々書きましたが、結局はエレクトロニカに舞い戻る訳でして、どうやらヒップホップは私にとって浮気相手みたいな存在のようです。ご飯の美味い女性の元には必ず男は戻ってくる…みたいな? そんな感じでヒップホップに浮気した後のエレクトロニカは格別に美味しかったということです。
LimpやManualとのコラボなどでお馴染みのJakob SkottによるSyntaksのフルアルバムがBenbeculaからリリースです。ってかねぇ、このアルバム本当に良いです。太鼓判押しちゃいます!!!(勝手に→)思っていた以上にビートもメロディーもしっかりとしていて、浮遊する女性voと程よくサイケちっくなアンビエンス+シューゲイザーサウンドがゆらゆらとうごめきながら曲全体を包み込み、気持ちの良過ぎる音世界の旅へ連れて行かれます。アルバムを通してもすごくドラマティックで、9分半にも及ぶ最後の曲"In The Wake"のラスト3分のクライマックスは涙無しでは聴けません…。(←ちょっと言い過ぎ)
いやーでも素晴らしい…。今期ベスト最有力候補ですねー。